トップ アイコン     千葉県に対する申し入れ書
2000年2月25日
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from 2000/2/39


千葉県知事 沼田武殿
                              恩寵園の子どもたちを支える会

申し入れ書

 貴職は、本年2月16日、社会福祉法人恩寵園理事長田中衛に対し、児童福祉法第46条第3項に基づき「児童福祉施設『恩寵園』の施設運営及び処遇の改善について」と題する勧告をされ、その第1項ならびに第2項(1)ウにおいて下記のとおり勧告しておられます。

  1. 1.今回の事態を生じさせた責任を明確にし、適切な運営及び処遇がされるよう人事上の措置を速やかに講じること
  2. 今後、県と十分協議のうえ、次の措置を講じること
    (1)法人運営について
     ウ 法人の理事は児童の権利擁護に精通した学識経験者、児童養護施設関係者等から複数委嘱すること

 当会は、貴職が、上記人事上の措置ならびに法人の理事に関する勧告を実効あらしめるため、社会福祉法人恩寵園に対し、下記の具体的指導を早急になさるよう申し入れます。

申し入れの趣旨

  1. 社会福祉法人恩寵園の現在の理事ならびに監事については、理事長田中衛を含めそ全員を退陣させ、新たに全理事ならびに監事を児童養護施設関係者等から委嘱すること。

  2. 新たに委嘱する理事ならびに監事は、園長大浜浩の親族であってはならないこと。

申し入れの理由


  1.  社会福祉法人恩寵園(田中衛理事長)は、当会代表浦島佐登志が、恩寵園で現在も体罰・虐待が行われていることについて、弁護士山田由紀子・弁護士木下淳博・弁護士平湯真人・弁護士坪井節子を代理人として、園長大浜浩ならびに氏名不詳の同園職員を暴行罪ならびに障害罪で告発し、これに関する記者会見をしたことにつき、浦島佐登志及び上記4名の代理人弁護士に対し、平成12年2月2日付内容証明郵便で警告書を発した。
     警告書において、社会福祉法人恩寵園(田中衛理事長)は、当会の告発と記者会見を「事実を捏造し」たもの、「名誉毀損行為」「ぶこくざいを構成するもの」と断じた上、「ところが貴殿らはこの誤れる行為を反省するどころか、その後も関係方面に虚偽の事実を言い触らして名誉毀損等の行為を続けている」「山田弁護士らは浦島氏の代理人と称しているが、貴殿らはこの件につき同罪であり、弁護士資格を剥奪されるべきが当然と考える」「貴殿らはこれだけでなく、迎合しがちな子供たちを弄び、自分たちの悪しき目的のために子供たちを利用している罪深き存在である」「このまま貴殿らが反省しないのであれば、恩寵園としては刑事・民事の責任を厳しく追及するも止む無きと考え、ここに貴殿らに警告をなすもの」であると述べている。

     この警告文が発せられたのは、まさに貴県が実態調査(平成11年11月から平成12年2月)で在園児童に対する体罰等を認定していた時期にあたり、かつ住民訴訟(千葉地方裁判所平成9年(行ウ)第71号損害賠請求事件)で長年にわたる園長の体罰等を認定する判決が言い渡された本年1月27日直後のことである。さらに言えば、千葉県警が園長等に対する傷害罪の容疑で恩寵園に実況検分・事情聴取に入り、貴職が箇長の解職を含む(新聞報道による)改善勧告を発した2月16日のわずか14日前のことである。つまり、貴職の勧告のわずか14日前まで、社会福祉法人恩寵園(田中衛理事長)は、園内に体罰等はないと言い切り、これを告発した市民・弁護士に対して上記のような不穏当かつ品位を欠く表現を用いてまで、その子どもの人権救済活動を封じようとしていたのである。
     警告文が社会福祉法人恩寵園田中衛理事長)の名において発せられている以上、理事長である田中衛をはじめとする全理事の意思により発せられたものと解するほかなく、このことは現在の理事全員が、勧告のわずか14日前まで、恩寵園の体罰・虐待をなくす努力をするどころか、かえってこれを隠蔽し、子どもたちの人権を犠牲にしてまで園長等体罰等を行っていた職員を擁護し、現体制を維持しようと図っていたことを意味する。
     恩寵園における体罰・虐待の問題は、中心的行為者たる園長大浜浩の責任もさることながら、まさにこのような理事全員の姿勢そのものが事態の解決を遅れさせ長年にわたり子どもたちを悲惨な人権侵害状態にさらし続けてきたのである。また監事が、本来「理事の業務執行の状況を監査」し「不整の点があることを発見したとき、これを評議員会(評議員会のないときは所轄庁)に報告する」職務を負っている(社会福祉事業法第3条1号3号)ことからすれば、監事もまた同じ責任を免れない。
     勧告第1項の「今回の事態を生じさせた責任を明確に」するとは、まさに上記のような全理事と監事の責任を明確にすることにほかならず、またこのような理事・監事が「児童の権利擁護に精通」した者には程遠い存在であることも明白である以上、全員を退陣させ、新たに真に「児童の権利擁護に精通」し不正があれば正面からそれを認めて改善策を講じることのできる理事・監事を選任しなければ、勧告の実効性は確保できない。

  2.  社会福祉法人恩寵園と養護施設恩寵園は、現園長大浜浩が実父から引き継いで理事長兼園長となったものであり、1996年4月に13人の園児が園長の体罰等を訴えて児童相談所に駆け込む事件が起きたことにより、ようやく大浜浩は理事長を降りたものの、同人の兄である田中衛が理事長となって、他の理事・監事とともに上記のとおり園長大浜浩らの体罰等を隠蔽・擁護してきた。また、2月17日こは、「園長の息子の元職員」についても「女子園児へのわいせつな行為が行われていた疑いが強まり、強制わいせつの疑いで・・・書類送検する」と報道されている(千葉日報)。
     以上の点に鑑みれば、恩寵園で子どもの人権を侵害する処遇がなされ続けてきた問題のの根底に、世襲制的な人事と同族経営的な運営の弊害が大きく横たわっていたことは明らかであり、勧告第1項の「適切な運営及び処遇か確保される」「人事上の措置」を講ずるためには、この世襲的人事と同族経営的運営を排除しなければならない。
     よって、申し入れの趣旨記載のとおりの具体的指導を求める次第である。
                                以 上

添 付 書 類
 1、社会福祉法人恩寵園発信にかかる2月2日付内容証明  1通
 2、浦島佐登志ほか4名の2月8日付内容証明(回答書)   1通
 3、人権救済申立書                  1通