トップ アイコン     厚生大臣、千葉県知事に対する要請書
2000年2月29日
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from 2000/2/29


                                       2000年2月29日
厚生大臣  丹羽 雄哉 殿
千葉県知事 沼田  武 殿

                                   恩寵園の子どもたちを支える会

要 請 書



 私たちは、養護施設恩寵園が、これまでのような体罰や虐待、子どもの人権を侵害する処遇を改め、現在園で生活している子どもたちが安心しでのぴやかに暮らせる園に生まれ変わってくれることを願い、各種要請・住民訴訟の提起などさまざまな活動をしてきました。
 本年1月27日に住民訴訟の判決で、千葉県には園児が集団で児童相談所に駆け込み園長の体罰等を訴えた平成8年4月の時点で園長の解職を含む改善勧告を出すべき作為義務があったこと、にもかかわらず県が勧告しなかったことが違法であることが判示され、4年後とはいえ本年2月16日に千葉県がようやくその重い腰を上げて園長の辞職を含む改善勧告を出したことは一応の成果と評価できました。
 ところが、社会福祉法人恩寵園は、昨28日、本年4月から休園る旨の理事会の決定を県に報告し、しかも千葉県は即日これを了承するかのような姿勢を示しました。
 私たちは、このような法人の決定ならびに県の姿勢を到底容認することができません。なぜならば、まず、@休園の決定は、改善勧告に従うどころか、まったく改善する意思がないことの表明であり、A第三者機関の設置を阻止して過去の問題点の解明を不可能にし、B在園中の子どもたちに対する責任を放棄するものだからです。その上、C法人は、新理事4名の選任を決定しましたが、咋28日の記者会見において、新理事長は、休園は『外部勢力』がもたらした混乱のためである、県の体罰認定に疑義があると発言するなど、およそ改善勧告の趣旨に程遠い人物と言わなければならず、また他の2名も、平成8年以来法人の顧問として体罰を容認する法人・園の擁護に努めてきた弁護士であり、このような人物が新埋事に適任されることは、理事の刷新どころか旧体制を温存しようとすることにほかなりません。
 結局、法人は、休園という方針の中にすべての問題点を封じ込め、さらにその休園という結果自体についても『外部勢力』に責任転嫁することにより、体罰・虐待の事実と真の責任の所在を闇に葬ろうとしているのです。

 養護施設で生活する子どもにとって、子どもたち同士の横のつながりは一般家庭の兄弟にも匹敵するほど強いものがあります。だからこそ、平成8年に児童相談所に駆け込んだ子どもたちも、園長に辞めてほしいとは訴えても、措置変更は望まなかったのです。今の在園児童も同じ気持ちであろうと思います。子どもたち自身の希望や意思を確認することなく、大人の側の都合のみで、兄弟のような子どもたちを離れ離れにすることは、これまで園で体罰や虐待を受けてきたことに加えて、二重の苦しみを与えることになります。その上、千葉県においては、既に4月に各養護施設に入所予定の児童が多数おり、恩寵園の子どもたちを他の施設こ措置変更しようとしても、その受け皿となる施設が十分に確保できるとは思えません。これまでも、恩寵園では、処遇能力の不足から本来受け入れ体勢のない親元に無理やり子どもを帰したり、高校入学もさせずに中学卒業時に住み込みで働くことを前提に園を出させたりしてきました。私たちは、今回も同様のことが起きるのではないかと強く懸念しています。

 そこで、恩寵園が真に過去の運営・処遇上の問題点を解明し、その反省の上に立って実効ある改善策をとるよう、貴職が千葉県ならびに社会福祉法人恩寵園に次のような指導をなされることを強く求める次第です。

  1. 恩寵園は、休園の方針を撤回すること。
  2. 千葉県は、法人が独自に選任した新理事4名をそのまま承認することなく、その人選が改善勧告の趣旨に沿う人選であるのか否かにつき4に述べるような団体の意見を聴取しつつ独自に判断すること。
  3. 今後の在園児童の処遇のあり方については、措置変更の適否を含め新理事会が新たに設置される第三者機関の意見を尊重して方針決定すること。
  4. 新たな理事・監事、第三者機関、新園長及び交替の必要のある職員の人選に関しては、次の各団体に適任者の推薦を依頼すること

    (1)理事・監事・園長及び職員については、全国養護施設協議会に
    (2)学識経験者のうち児童福祉に精通した学者・研究者については、児童福祉法研究会に
    (3)学識経験者のうち弁護士については、日本弁護士会子どもの権利委員会に

 なお、園長大浜浩の辞任に関しては、前記住民訴訟の判決においても長年にわたる数々の常軌を逸した体罰・虐待が認定されていること、県が勧告したのは解職であって辞職ではないこと、報道によれば千葉県警が近く傷害罪で書類送検の予定であることから、万が一にも依願退職扱いにして退職金を支払うことのなきよう強く指導・監督されたい。
                                                       以 上