トップ アイコン   児童養護施設千葉恩寵園」の児童虐待事件
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from 1999/12/19 

1999/12/25(土) 千葉日報
「子供たちに体罰」市民団体が刑事告発 船橋の養護施設

船橋市薬円台の児童養護施設「恩寵園」(大浜浩園長、児童五十二人)で、児童が職員らに体罰を受けているとして、市民団体の「恩寵園の子供たちを支える会」(浦島佐登志代表)は二十四日、暴行と傷害の疑いで、大浜園長と職員を県警に刑事告発した。

告発状によると、今月十八日放映のテレビ番組で同園の関係者が「竹刀とか持ってきてぶたれたり、投げ飛ばされたりしている」などと訴えており、子供たちに対する体罰・虐待が行われているとしている。

県警では、「体罰があるかどうか事実関係の有無を慎重に捜査したい」としている。


1999/12/25(土) 毎日新聞 地方版/千葉
「恩寵園」体罰問題で支える会、園長ら告発 暴行容疑、県に実態解明求める /千葉

 園児への体罰が問題となった船橋市薬円台の児童福祉施設「恩寵園」の問題に取り組む「恩寵園の子どもたちを支える会」の浦島佐登志代表らが「体罰・虐待行為は現在も繰り返し行われている」として24日、県に実態調査を求めるとともに、園長らを暴行容疑などで県警に告発した。

 告発状などによると、同園は1995年12月、園児への体罰などを理由に県から新規入園停止の処分を受けたほか、96年4月には、園児13人が同園から逃走。「顔を殴られた」「24時間正座をさせられ、トイレにも行かせてもらえなかった」などの体罰を訴えて児童相談所に一時保護されるなどの問題が生じていた。


1999/12/24(金) 共同通信ニュース速報
児童に体罰、と告発 千葉・船橋の養護施設

 千葉県船橋市の児童養護施設「恩寵園」(大浜浩園長)で、児童が職員らに体罰を受けているとして、市民グループ「恩寵園の子どもたちを支える会」(浦島佐登志代表)が二十四日、暴行と傷害容疑で園長と職員を千葉県警に刑事告発した。
 告発状によると、同園は三年前にも園長による児童への体罰が表面化。民放テレビがことし十二月十八日に放送した番組内でも体罰や虐待が明らかにされたとしている。
 番組では、関係者が「竹刀とか持ってきて(児童が)ぶたれたり投げ飛ばされたりしている」などと語っていたという。
 これに対し、大関幸麿副園長は「現在は、体罰は一切行われていない」と話している。
 恩寵園では、九六年四月、児童十三人が園を抜け出して児童相談所に保護され、大浜園長による児童への体罰を訴えた。
 その後、県児童家庭課は園長に改善を指導し、当時の児童の多くは退園したが、園長は現在も在職している。


1999/12/20
千葉県庁社会部児童家庭課へ電話で質問
太字は回答)

3年前に事件を起こし、どうして今回の報道の事実を掴めなかったのか?
3年前の調査の時点では、今回の報道に見る内容は把握していない。

3年前の調査報告書を見せてもらえるのか?
調査報告書は、公文書公開条例により請求することができる。 ただし,子どものプライバシーなどに関わり、公開できないものもあるので、すべてを公開できるとは限らない。

その後調査はしていないのか?
9月の報道特捜プロジェクトのあと、いつとは言えないが、調査を開始した。

その調査はいつ終了したのか?
現在も調査継続中である。

今回の調査はいつ完了するのか?
調査がいつ完了するかは、現在不明である。

調査が完了した時点で、報告書をマスコミを含め公開するのか?
現時点では、なんとも申し上げられない。

園長を首にできないのか?
恩寵園は、民間社会福祉法人であるため、園長を退職させる権限は理事会にあり、県としては退職を強制できない。ただ、指導はしている。

報道では、突然、子供が恩寵園を追いだされたようであるが、恩寵園にその権限はあるのか?
恩寵園を措置解除された子供は、児童相談所の権限で措置解除されている。親元に帰せるかどうかは、児童相談所が調査し、判断している。措置解除された子どもは六ヶ月、フォローアップしている。子どもにも、困ったことがあったら、顔を出すように指導している。恩寵園を出て、親がすぐに行方不明になったという報道の事実が本当のことなのか、不明である。

報道がうそであるということか?
その可能性も含め、調査している。

虐待の事実があれば、警察に傷害罪として告訴すべきではないか?
虐待の事実が確認でき、その程度によっては、告訴することもありうる。虐待の事実は、3年前の調査で把握することができなかった。現在調査中のため、仮定の話に答えることはできない。

1998/12/16 毎日新聞 地方版/千葉
児童施設と共同作業所に、歳末プレゼント−−毎日新聞社会事業団 /千葉
 毎日新聞東京社会事業団は15日、民間児童施設と障害者小規模共同作業所に歳末プレゼントを贈った。県内では次の施設、作業所に届けた。

 ◇児童施設=▽千葉市稲毛区、房総双葉学園▽船橋市、恩寵園▽市原市、平和園▽成田市、成田学園▽茂原市、獅子吼園▽館山市、ひかりの子学園▽木更津市、野の花の家▽印旛郡酒々井町、蛍雪学園▽海上郡海上町、滝郷学園▽夷隅郡大原町、子山ホーム▽香取郡東庄町、香取学園松葉寮

 ◇共同作業所=▽我孫子市、つくばね共同作業所▽市川市、ふれんど舎


1997/12/16 毎日新聞 地方版/千葉
民間児童施設などに、歳末プレゼントを贈る−−毎日新聞東京社会事業団 /千葉

 毎日新聞東京社会事業団は15日、民間児童施設と障害者小規模共同作業所に歳末プレゼントを贈った。県内では次の施設、作業所に届けた。

 ◇児童施設=▽千葉市稲毛区、房総双葉学園▽船橋市、恩寵園▽市原市、平和園▽成田市、成田学園▽茂原市、獅子吼園▽館山市、ひかりの子学園▽木更津市、野の花の家▽印旛郡酒々井町、蛍雪学園▽海上郡海上町、滝郷学園▽夷隅郡大原町、子山ホーム▽香取郡東庄町、香取学園松葉寮

 ◇共同作業所=▽千葉市美浜区、千葉市ワークホーム「ゆき」▽市川市、市川手をつなぐ親の会 きらら作業所


1997/10/04 毎日新聞 地方版/千葉
県への人件費返還求め、知事を相手に訴訟−−恩寵園問題 /千葉

 船橋市薬円台の児童福祉施設「恩寵園」(大浜浩園長)で昨年4月、園長から体罰を受けたとして園児13人が逃げ出し、児童相談所に一時保護された問題で、「恩寵園の子どもたちを支える会」代表の浦島佐登志さん(48)=同市二和東=ら2人が3日、沼田武知事を相手取り、事件後に園長に支出した人件費約590万円を県に返還することを求める訴訟を千葉地裁に起こした。

 訴状によると、知事は事件後、監督権限に基づき、園長を解職するよう指示する義務があったのに怠り、1996年7月から今年6月まで同園に措置費と補助金を支出し続けた。このうち園長の人件費は違法な公金の支出にあたるとして、県への返還を求めている。

 浦島さんらは、知事の違法支出分の損害賠償を勧告するよう県監査委員に監査請求していたが、今年9月、棄却されている。


1997/12/11 朝日新聞 朝刊
船橋恩寵園住民訴訟、知事側は争う姿勢 千葉地裁 /千葉

 収容児童を虐待している施設の園長に給料を支払うのは公金の違法支出に当たるとして、児童らの代理人を務める弁護士らが沼田武知事を相手取り、同園に支払った措置費のうちの園長の給料分を県に返還するよう求めている住民訴訟の第一回口頭弁論が十日、千葉地裁(川島貴志郎裁判長)で開かれた。知事側は「訴訟要件を欠いている」などと主張し、全面的に争う姿勢を見せた。
 この訴訟は、船橋市の児童福祉施設「恩寵園」(大浜浩園長)で昨年四月に園長の体罰が原因で児童らが一時逃げ出した問題にからみ、「その後も児童虐待を続けている」とする原告側が、住民監査請求が棄却されたことを受けて起こした。


1997/10/04 朝日新聞 朝刊
園長の給料返還求め提訴 船橋の「恩寵園」問題で弁護士ら /千葉

 船橋市の児童福祉施設「恩寵園」(大浜浩園長)で昨年四月、園長の体罰が原因で児童らが一時逃げ出すなどした問題で、児童らの代理人を務める弁護士らが二日、その後も児童虐待を続けている園長に給料を支払うのは公金の違法支出だとして、沼田武知事を相手取り、昨年七月から今年六月にかけて同園に支払った措置費のうち園長の給料分に当たる約五百九十万円の返還を求める訴訟を千葉地裁に起こした。
 訴状によると、児童に対する園長の度重なる体罰を知りながら、沼田知事が園長を解職せずに給料を支払い続けたのは、公金の違法な支出に当たり県に損害を与えたとしている。
 児童らの代理人で、今回原告となった山田由紀子弁護士は「同じ内容で県監査委員に対し監査請求をしたが棄却されたため、納税者の立場で提訴するしかないと考えた」と話した。


1997/10/04 毎日新聞 地方版/千葉
県への人件費返還求め、知事を相手に訴訟−−恩寵園問題 /千葉

 船橋市薬円台の児童福祉施設「恩寵園」(大浜浩園長)で昨年4月、園長から体罰を受けたとして園児13人が逃げ出し、児童相談所に一時保護された問題で、「恩寵園の子どもたちを支える会」代表の浦島佐登志さん(48)=同市二和東=ら2人が3日、沼田武知事を相手取り、事件後に園長に支出した人件費約590万円を県に返還することを求める訴訟を千葉地裁に起こした。

 訴状によると、知事は事件後、監督権限に基づき、園長を解職するよう指示する義務があったのに怠り、1996年7月から今年6月まで同園に措置費と補助金を支出し続けた。このうち園長の人件費は違法な公金の支出にあたるとして、県への返還を求めている。

 浦島さんらは、知事の違法支出分の損害賠償を勧告するよう県監査委員に監査請求していたが、今年9月、棄却されている。


1997/07/08 朝日新聞 朝刊
弁護士らが住民監査請求 船橋の児童福祉施設「恩寵園」問題 /千葉

 園長の体罰などをきっかけに、船橋市の児童福祉施設「恩寵園」(大浜浩園長)から児童・生徒らが児童相談所に逃げ出した問題で、児童らの代理人の山田由紀子弁護士らは七日、大浜園長の人件費や同園に対する補助金を県が交付したことは違法だとして、県監査委員に対し、県がこうむった損害を賠償するよう沼田武知事に勧告するよう求める住民監査請求を行った。
 請求は(1)子供たちが逃げ出した時点で、知事は園長の解職を指示・命令すべきだったのにそれを怠り、園長の人件費を支払い続けた(2)園長が県の指導に従わなかったのに補助金の返還を求めないで支払い続けた――を理由に、県費の違法な支出により県は損害を被ったとしている。


1997/07/08 毎日新聞 地方版/千葉
恩寵園への支出で、賠償勧告求め監査請求−−船橋 /千葉

 船橋市の児童福祉施設「恩寵園」(大浜浩園長)で昨年4月、園長らから体罰や虐待を受けたとして園児13人が逃げ出した問題で、「恩寵園の子どもたちを支える会」(浦島佐登志代表)などは7日、「事件後、沼田武知事が同園に支出した人件費などは違法」として、県監査委員が知事に賠償を勧告するよう求める住民監査請求を起こした。

 監査請求書によると、知事は、園児の脱走後、園長の解職を指示する義務があったのに怠り、1996年7月から97年6月まで同園に措置費と補助金を支出した――としている。


1997/06/10 毎日新聞 地方版/千葉
再発防止策など求め、県に要請書−−恩寵園問題で「支える会」 /千葉

 船橋市薬円台の児童福祉施設「恩寵園」(大浜浩園長)で1996年4月、園長らによる体罰を理由に園生13人が逃げ出した問題で、「恩寵園の子どもたちを支える会」(浦島佐登志会長)は9日、県に適切な処置を求める知事あての要請書と862人分の署名を提出した。同会は昨年10月にも1049人分の署名を提出している。

 要請書によると、県が園長の責任を不問にしたため、同園の児童が56人から40人に減少。今年3月には職員13人が退職した。こうした状況で再び園長の権限が強まり、体罰などが懸念されると指摘。監督権を持つ県に対し(1)同園に対する県の指導方針と内容(2)県が口頭指導にとどめている理由(3)体罰の再発防止策――を明らかにするよう求めている。


1997/05/28
第140国会での日本共産党議員の質問・討論など

瀬古由起子衆院議員 5月28日
 衆院厚生委員会での児童福祉法「改正」案審議で、千葉・船橋市の恩寵(おんちょう)園での体罰・虐待問題を中心に、養護施設・虚弱児施設について質問した。


1997/05/13 国会本会議
(国会議員「保坂展人のページ」より抜粋

保坂展人議員
 私は、社会民主党・市民連合を代表して、児童福祉法等の一部を改正する法律案について、総理大臣並びに関係閣僚に質問をいたします。
(略)
 また、九五年に福岡育児院、九六年には千葉・恩寵園で、責任ある立場の職員による体罰事件が子供の告発によって明らかになりました。これは養護施設の中での事件です。子供が保護されるはずの施設で、このような体罰という名のひどい暴力、これが日常化している現実に早急な改革が必要です。これら児童福祉施設を子供本位に改めるための行政努力は始まっているのでしょうか。
 また、児童福祉施設全般にわたる施設最低基準は、六畳一間に四人という劣悪なものです。収容所と言ってもよいほど劣悪なこの施設最低基準の大幅な改善を求めたいと思います。そこに手をつけることで、現在の教護院などの定員はあっという間に充足するのではないでしょうか。この点を厚生大臣にお尋ねしておきます。 子どもの権利条約から三年、子供に関しての最初の大きな法改正に当たって、子供が権利主体であり独立した人格としてたっとばれる、子供最善の利益が保障され、意見表明権が認められるなど、子どもの権利条約と合致そして符合した文言を総則にうたうべきではないかと私は提案したいと思います。この点について、総理大臣の御認識を改めて伺いたいと思います。

国務大臣(小泉純一郎)
 保坂議員にお答えいたします。
 (略)
 施設における体罰についてですが、これはもう絶対にあってはならないことだと考えております。従来より、施設入所中の児童の処遇状況について、都道府県が施設長から定期的な報告徴収を行うとともに、施設長に対する指導等を行ってきているところでありますが、改めてこの旨都道府県を指導するなど、今後とも、このようなことが絶対生じないよう万全を期してまいりたいと考えております。
 児童福祉施設の設備の最低基準についてですが、国民の生活水準の向上、効率的なサービス提供、地方の自主性等も念頭に置きながら、時代の要請にふさわしいあり方について中央児童福祉審議会において御検討いただき、今後とも適切に対応していきたいと思います。


1997/05/13
衆議院HP 本会議録 第140回5月13日本会議録


1996/10/29 朝日新聞 朝刊
 園長の責任追及を求め知事に意見書提出 恩寵園問題で弁護士ら/千葉

 船橋市薬円台四丁目の養護施設「恩寵園」で、大浜浩園長(六〇)が入所者に体罰を加えていた問題で、子供の人権問題に取り組む全国の弁護士や法学者などの研究者が二十八日、園長の責任追及や園の運営への指導などを求める沼田武知事あての意見書を出した。
 意見書は、恩寵園の運営は社会福祉事業法などに違反しているとしたうえで、(1)園長の責任追及と事件の背景調査(2)園の運営に対する指導や改善勧告(3)県や児童相談所に保護を求めた子供に対する適切な事情説明――などの対策を取るよう求めている。
 代表の一人の木下淳博弁護士は記者会見で「問題が明らかになってから半年以上たつのに、県は文書による指導をしていない」と述べた。人権救済を申し立てた入所者の代理人を務める山田由紀子弁護士によると、大浜園長は兼職の理事長を退き、三カ月の減給処分を受けたが、園長の立場はそのままだという。


1996/08/08 朝日新聞 朝刊
園長辞任求める 知事あてに文書提出 恩寵園の子供自治会 /千葉

 大浜浩園長(五九)による入所者への体罰が問題となった船橋市薬円台四丁目の養護施設「恩寵園」に子供たちの自治会ができ、代表二人が七日、「園長先生とは一緒に生活したくない」と求める文書を沼田武知事にあてて出した。子供たちの人権救済申し立ての代理人を務める山田由紀子弁護士も、県が園側に厳しい行政指導をするよう求める要請書を提出した。県児童家庭課は「今は口頭での指導を続け、園内で改善へ向けた努力をしてもらっている段階」と話している。
 恩寵園の「子供自治会」の文書は「園長先生自身からは反省の気持ちが伝わってこない」「大人の世界では、園長先生のしたことは許されるのでしょうか」などとしたうえで、体罰の責任をとって園長が辞任するよう求めている。
 記者会見した山田弁護士は「社会福祉事業法や子どもの権利条約の観点から、県は園長に辞任を求めることができる」と述べ、「辞めさせる権限がない」とする県の対応を批判した。また、地域の大人たちが「恩寵園の子どもたちを支える会」(浦島佐登志代表)をつくり、署名活動などを通じて園長の責任を問うていく方針だと報告した。


1996/05/23 朝日新聞 朝刊
恩寵園の保母らが人権擁護目的に労組結成 園長辞任求める方針/千葉

 大浜浩園長(五九)による子供たちへの体罰を伴う指導が問題になった養護施設
「恩寵園」(船橋市薬円台四丁目)で、保母ら職員が労働組合をつくり、二十二日に船橋市内で結成大会を開いた。「養護施設で育つ子供たちの人権擁護」が目的で、大浜園長の辞任を求めていく方針だ。

 恩寵園の職員労組は全国福祉保育労働組合千葉支部の分会として、十二日に発足した。保母、指導員十四人のうち、九人が参加。県内の養護施設では、初めての労組という。
 記者会見した園の保母で労組委員長の柴田久枝さんは「子供たちは園長の存在に不安を感じており、職員も園長を信頼できない」と述べ、労組の結成通知書と団交申入書、辞任を求める要求書を二十一日、園長側に渡したことを明らかにした。今後は県や厚生省などに対しても、園長の辞任を訴えていく予定だ。
 要求書は、「子どもへの体罰や人権侵害をくりかえした方が、施設の管理責任者であり続けることは、社会的に見ても恩寵園が生まれ変わろうとしているとは理解してもらえません」と指摘。(1)大浜園長の辞任と民主的運営のできる園長の配置(2)体罰や人権侵害の原因や問題点を解明し、責任を明確にする(3)職員、労組、教育関係者、児童相談所などから広範な意見を募る評議員会をつくる、などを求めている。
 柴田さんは「園長との話し合いを続けてきたが、事態は改善されていない。子供たちも体調を崩したり、学校を早退したり、不安定な状態が続いている。園長の責任について、多くの方々に考えていただきたい」と話している。


1996/05/02 朝日新聞 朝刊
子供ら、知事に改善を願う手紙 「恩寵園」園長の体罰伴う指導/千葉

 大浜浩園長(五九)による体罰を伴う指導が問題となっている養護施設「恩寵園」(船橋市薬円台四丁目)の子供九人が一日、沼田武知事にあてて園の改善を願う手紙を出した。「園長はぜったいやめるべきだ」「助けてほしいんです。たえられません」「私たちの話を聞きに来て下さい」。人権救済を申し立てている四人の子供の代理人を務める山田由紀子弁護士が記者会見して公表した手紙には、子供たちの精いっぱいの訴えが記されていた。

 山田弁護士によると、手紙は中学二年から高校三年までの男女が書いた。一人を除き、四月初めに園を一時逃げ出した子供たちという。代表の三人が山田弁護士と県庁を訪れ、県民センター室の職員に手渡した。四月二十六日に山田弁護士が園に戻った子供と面会した際、すでに子供たちが自主的に手紙を書き始めていたという。
 手紙は、県の出張所などに置いてある用紙「知事への手紙」に書かれたものと、便せんやノートに書かれたものの二種類。ある手紙は「家とゆうのは恐怖をいだきながら生活をしていく場なのですか。私は小さい時から園にいたので、体罰をずっと見てきました。思い出すとさむけがして、泣きそうになるぐらいです」とつづり、「(園長は)反省してないんです」と、不安な気持ちを伝えている。
 ほかにも、「園長先生がちかくにくるとなぜか手でかおを守ってしまってこわいです」「私が児相(児童相談所)から帰ってきた理由は学校に行きたかったから」「園長をつづけるつもりなら、私は何があっても絶対に出ていきます」など、心情を吐露している。
 山田弁護士は「子供たちが納得して園に戻ったのではないことを理解してほしい」と述べた。今後、この手紙の写しを厚生省に持参し、園の状況を説明する方針という。
 また、各児童相談所の職員を園に派遣するなどの指導をしている県児童家庭課の成田美代課長は「園の状態が安定したとは思っていない。今後も必要な対応を続けたい」と話している。


1996/04/25 朝日新聞 朝刊
子供たち全員戻る 新学期心配 恩寵園問題(ニュースの周辺)/千葉

 船橋市薬円台四丁目の養護施設「恩寵園」に入所している子供十三人が、大浜浩園長(五九)の体罰を伴う指導に反発して、児童相談所に一時保護されていた事件は、二十四日までに全員がいったん園に戻った。園長は、子供たちに謝罪して園に戻るよう説得していた。ほとんどの子供は、園長の態度の変化に疑問を感じながらも「学校に通いたい」との思いから園に帰ることを優先させたようだ。県、児童相談所はしばらくの間、職員を園に派遣して様子を見守る構えだ。

 保護されていたのは小学生から高校生までの男女。園長の方針に反発する職員たちが今月はじめに一時的に辞表を提出したことを知った子供たちが、三日から五日にかけて園を抜け出して県内四カ所の児童相談所に駆け込んでいた。
 大浜園長は「体罰をしない」「園長は直接の指導から外れる」「子供の自治会を認める」といった条件を示して、子供たちに園に戻るよう説得した。今月中旬には、児童相談所内で園に戻らない子供たちに意見を聞く場も設けられ、子供たちは園長に対して「今後は変わるといっても不安」「あなたがやめないと帰らない」などと言ったという。
 しかし、関係者によると、多くの子供は、園長の説得には強く反発しながらも、学校の新学期が始まったことを心配していたらしい。また、数人が園に戻ったあと「みんなが頑張っているのに自分だけ園から逃げているみたいだから戻る」と話して園に帰ることを決めた子供もいるという。
 現在は、県児童家庭課と児童相談所の職員がほぼ毎日、園を訪れて、戻った子供たちや保母らと園の状態について話を続けている。保母の一部からは園長の辞任を求める声もあるというが、同課は「園長がやめるかどうかは園を運営する法人の問題。きちんとした施設運営ができればいいのだから、いまは(業務改善命令など)行政側の処分の段階ではない」としている。
 子供たちのうち四人が千葉地方法務局と県弁護士会に人権救済を申し立てている。代理人の山田由紀子弁護士は「施設の長としての資質に問題がある。申し立ての趣旨は園長から子供全員を助けること。子供を入所させるのは行政なのに、事実の認識が間違っており、対応が甘過ぎる」と話している。


1996/04/18 朝日新聞 朝刊
読者の意見 園長の辞職求める声(子供たちはなぜ逃げた) /千葉

 児童福祉施設「恩寵園」をめぐって

 「信じられない」「涙が出ました」。養護施設「恩寵園」(船橋市薬円台四丁目)の児童、生徒ら十三人が、大浜浩園長(五九)の体罰を伴う指導に反発して逃げ出した事件に関して意見を募集したところ、県内外の主婦や養護施設関係者らから七十通余りのファクス、手紙が朝日新聞京葉支局に寄せられた。ほとんどが園長の指導方針や県、児童相談所の対応を批判する内容。「園長は職を辞するべきだ」とする意見も目立った。

 ○「心の状態が心配」
 数年前まで恩寵園の保母だった女性は、殴られた子供の目や口から血が出ているのを何度も見たという。「体罰をする人が『良い指導者』のような環境の中で、私自身だんだんギスギスして嫌な性格になってしまうと思い退職した」。同じように退職した別の保母は「私は逃げ出したも同然です」と自分を責める。
 恩寵園で実習をしたことのある女子学生(一九)は「園は子供を『世話してやっている』という雰囲気。『(園長は)どうせ聞いてくれない』と言う子供に『やってみないとわからない』という事を伝えるのに時間がかかった」と振り返る。
 七年ほど前、約半年間園にいた女子中学生(一三)は「逃げ出した子たちの心の状態がすごく心配。(園の)子供たちや先生方の写真を見ると涙が出ます」と仲間の動向を不安そうに見守っている。

 ○「事なかれ主義問題」
 「対処の仕方が大人の都合だけで行われ、子供の心を無視しているのに心が痛む」「行政の事なかれ主義だ」。逃げ出した子供たちの話を聞かず、園に戻そうとした県児童家庭課や児童相談所の方針にも批判が集中した。
 数年前、恩寵園で実習をしたことのある病院職員の女性(二三)は「今憤りを感じるのは児童相談所に対して。体罰があまりにひどかったので当時、状況を相談所に報告した。なのに、これまでなにをしてきたのか」。
 民生児童委員の女性(六四)は「県が『職員間の内輪もめ』と安易にとらえているのは問題。『根の深いものではない』という発言には、これが児童福祉に携わる人の発言かと慄然(りつぜん)とした」と怒りを隠さない。
 恩寵園以外の施設の実態を記した投書も目立った。以前県内の別の児童福祉施設に入所していたという女性(二五)は「酒に酔った施設長が意味もなく児童を殴ったり、裸でトイレにくさりでつながれたりした子もいた。児童相談所に訴えた子もいたが、その後仕返し的な体罰を受けた」と明かす。

 ○「園長やめるべきだ」
 養護施設で働いたことがある地方公務員の女性(五一)は、恩寵園の様子も聞き及んでいたという。「養護施設では、施設長の考え方で、養護内容に大きな差がある。前近代的と思われたり、施設長の感情が優先していると見られる施設も少なくなかった」
 同じく児童福祉施設で働いた経験のある主婦(二七)は「熱意と希望を持って就職しても、施設などを運営していく人の『金』と『心』の問題という『裏の現実』にぶち当たる」などと施設全体の問題に言及する。
 恩寵園の近くに住み、十数年前から園内の体罰を知っていたという女性(五二)は「園長は去らせるべきです。それをしなければ、必ず仕返しで陰湿な暴力が続く」と厳しい視線を向ける。
 すでに園を離れた元職員の女性は「子供たちのわがままも一部あるとは思うが、自分たちで立ち上がったことをむだにしないでほしい」。園に多くの友人がいるという高校生は「いままでも園の子からヒドイ話を聞いてきた。私の友達を助けてください!」とのファクスを寄せた。

 【写真説明】
 寄せられた手紙とファクス。高校生や中学生からのものも多かった


1996/04/13 朝日新聞 朝刊
児童相談所に保護の4人、人権救済申し立て 「恩寵園」体罰 /千葉

 園長の体罰などをきっかけに、船橋市の児童福祉施設「恩寵園」(大浜浩園長)から逃げ出し、現在も県内の児童相談所に一時保護されている児童・生徒五人のうち四人が十二日、千葉地方法務局と県弁護士会に人権救済を申し立てた。
 申立書などによると、園長は指導と称して、入所している児童・生徒の手足などにはさみや包丁を押し付けて脅し、手足を傷つけたり、頭をいすで殴るなどの虐待を繰り返していたとされる。
 申立人代理人の山田由紀子弁護士によると、四人は「園長が辞めない限り戻りたくない」と話しているという。
 大浜園長は申し立てについて「今はわからない」と話している。


1996/04/13 朝日新聞 朝刊
子供たちはなぜ逃げた 児童福祉施設「恩寵園」をめぐって:下/千葉

 パラシュートの降下訓練の様子が目の前に広がる。児童福祉施設「恩寵園」は、陸上自衛隊習志野演習場の近くにある。戦後、前園長が兵舎の払い下げを受け、養護施設に転用した。
 園を以前からよく知る養護施設関係者は言う。「前園長は管理教育・体罰容認派だった。園内には軍国主義的なにおいが漂っていた」。大浜浩園長は、その前園長だった父親の跡を継いだ。

 ○気風 園長の個性に
 養護施設の運営や園内の気風は園長の個性にゆだねられる部分が大きい。
 入所者の家族の一人は「面会に行って、おやつを食べているところや遊んでいる姿を見たいと言っても、いつも『この次に』といってはぐらかされてしまう」と園の内側が見えにくいことを不安がる。「本当なら引き取りたいが、家庭の事情でなかなか ……。こちらは預かってもらっている側だから、文句を言わないようにしてきた」と、つらい立場を明かす。

 ○「体罰から護られる」
 全国の養護施設でも、体罰が問題になったことがある。昨年五月には福岡市で、職員たちが入所者の頭をバットで殴ったり、手のひらにたばこの火を押し付けたりしていたことが明らかになった。
 全国養護施設協議会の谷松豊繁会長は「養護施設では指導上きわどい局面に直面することも多い。それを体罰か、しつけか、愛のむちかと言われても線引きが難しい」と話す。
 県内のある養護施設長が「こんな事件のせいでほかの施設も同じだと思われたら困る」と言う一方で、福祉関係者の中には「ここまでひどくなくても、後ろめたさを感じる施設がほかにもあるはずだ」と指摘する声もある。
 協議会の研修会などでも、職員による体罰の防止が課題として取り上げられてきた経過がある。
 北海道養護施設協議会は一九九四年五月、指導の基準を設け、「児童は一切の体罰から護(まも)られる」という項目を盛り込んだ。また、大阪府は昨年から、施設に入所する子供たちに、体罰を否定した小冊子「子どもの権利ノート」を配っている。その中には、相談を受けるための電話番号も記されている。
 さらに全国には、園長と職員が対立した場合などに、園の運営に助言を与える第三者を置いたり、ボランティアを増やしたりして、「閉鎖性」の解消に努めている施設も少なくない。
 全国には五百二十九カ所、県内には十三カ所の養護施設がある。大浜園長は関東ブロック養護施設協議会事務局長。恩寵園は比較的規模が大きく、児童に対するカウンセリングなどの研修に職員を派遣するなど「熱心な人」との顔も持つ。

 ○「類似家族」の表現
 「体罰はしない」「園長は直接の指導から外れ、職員に任せる」「子供の自治会活動を認める」
 園長はこうした条件を示し、子供たちに園に戻るように説得している。「過去にはいろいろあったが、私も反省している」。児童相談所に保護された十三人のうち、八人は条件を確認して園に戻ったが、残りの五人は十二日現在、まだ児童相談所にいる。
 恩寵園のパンフレットは、園を「類似家族」と表現している。家庭で傷ついた子供たちが「類似家族」の中で再び傷ついた。園の信頼回復の道のりは遠い。
 (この連載は奥村晶、藤谷浩二、長谷川玲が担当しました)

 【写真説明】
 恩寵園のパンフレット。冒頭には「恵まれない児童の幸せを守る砦(とりで)」とある


1996/04/12 朝日新聞 朝刊
子供たちはなぜ逃げた 児童福祉施設「恩寵園」をめぐって:中/千葉

 父親役の園長と母親役の職員との『夫婦げんか』を子供が見て興奮しただけ――。恩寵園の入所者十三人が園から逃げ出した原因について、県児童家庭課や、児童相談所は「職員間のトラブル」「体罰とは無関係」と繰り返した。子供にとっての「一大事」が、受け止める大人の間では、いつのまにか「ささいな事」に変質していったようだ。
 園長の体罰が明らかになった昨秋以降、県児童家庭課は、通常三カ月から半年に一度程度の児童相談所職員による訪問指導を月二回に増やすなど、「監督官庁として指導すべきことはやってきた」という。しかし、子供が園から逃げ出した三日から十日までの一週間で、同課が園や児童相談所との話し合いに加わったのは六回のうち一回だけ。五日の話し合いに参加した同課の職員は「あくまでも内輪もめ」という園長の説明を聞いて、「学校も始まるので今すぐ連れ戻すように」と園の職員に指示した、という。

 ○その日に施設へ帰す
 この県職員は「子供はご飯がのどを通らないということもなく、大人が考えているほど深刻じゃない」と言い切った。
 「子供が児童相談所に逃げてきても、帰せるものならすぐ施設に帰した方がいい。我々の仕事はいかに集団生活に子供を早くなじませるかだから」。県児童相談所長協議会の幹事役として県内の相談所を束ねる立場にある前田茂則・中央児童相談所長は、その言葉通り、六日に恩寵園から相談所に駆け込んで来た三人の子供を、その日のうちに施設に送り帰した。

 ○事態の収拾にあせる
 他の児童相談所でも「これ以上、子供を置いておくのはまずい」と事態の収拾をあせる様子がうかがえた。
 県、児童相談所、園の三者が児童を施設に帰すことを急いだ背景には、「一時保護中は通学できない」とする厚生省の児童相談所運営指針がある。さらに、「経理面での理由もあった」と指摘する声もある。
 県児童家庭課によると、十日以上、施設から子供が出て行った状態が続くと、状況によっては、子供が不在だった期間については、施設に支給される措置費が減額されることもある、という。
 子供たちは児童相談所に行った理由について「自分たちだけではどうしようもないと思った」と話しているという。せっぱつまった気持ちで駆け込んだ子供たちに、「園長はえらい人、保母さん(職員)にはいくらでも代わりがいる」などと説得にあたった所長もいた。

 ○入所者の一部が戻る
 施設を監督する県、頼れる親や家族のいない子供の「頼みの綱」であるはずの児童相談所が、本当に子供の信頼にこたえることができたのか。
 十一日、入所者の一部は、「園長が直接の指導から離れる」というのを条件に園に戻った。
 県内の養護施設に勤めている職員(四四)は言う。「閉鎖的な環境で頼る場所もなく、『あきらめる』ことに慣れている施設の子供たちが、飛び出すのはよほどのことがあったはず。短時間でその原因が解決するとは思えない」
 ×  ×  ×
 この連載についての皆さんのご意見をお待ちします。手紙かはがきで十五日までに、〒273 船橋市本中山2の1の18、朝日新聞京葉支局「児童福祉」係まで(ファクスの場合は同日午後四時までに〇四七三―三五―二一一〇へ)。住所、氏名、年齢、職業、電話番号もお書き添え下さい。新聞でご意見を紹介する際、匿名を希望する場合はその旨を明記して下さい。

 <児童福祉施設> 恩寵園は児童福祉法に定められる児童福祉施設の中の「養護施設」にあたり、職員数や施設の規模、入所者の人数や年齢に応じて、国と県から支給される措置費を主な財源として運営されている。県は年に一回、施設を運営する法人を監査し、施設内でのトラブルが深刻な場合、児童福祉法に基づき、施設に対し改善命令や業務停止、認可取り消しといった行政措置をとることができる。

 【写真説明】
 恩寵園の入所者五人が一時保護された市川児童相談所=市川市南八幡五丁目で


1996/04/12 朝日新聞 朝刊
児童・生徒8人が恩寵園へ戻る 園長、指導から離れる /千葉

 船橋市の児童福祉施設「恩寵園」(大浜浩園長)から逃げ出した児童や生徒十三人のうち八人は十一日夜、園に戻ったが、関係者によると、県児童家庭課、児童相談所、園はこの日の話し合いで、園長による体罰について今後はしないと改めて決めたという。また、「指導は第一義的に職員に任せる」として、直接の指導体制から園長が離れることも決めた。
 このほか、園長と職員との話し合いの場を積極的に設けることや、子供の自治会活動を認めて自主性を尊重していくことも申し合わせた。


1996/04/11 朝日新聞 朝刊
子供たちはなぜ逃げた 児童福祉施設「恩寵園」をめぐって:上/千葉

 花見の人でにぎわう船橋市薬円台四丁目の小さな公園のそばに、児童福祉施設「恩寵園」はある。桜が咲き始めた今月初め、十三人の児童や生徒が園を逃げ出し、四カ所の児童相談所に保護された。子供たちはなぜ逃げたのか。大浜浩園長(五九)による入所者への体罰を伴う指導の実態と問題点を探った。満開だった桜が散り始めた十日、子供たちはまだ、園に帰れないでいる。
 「殴って顔がはれた子を『かぜをひいた』と言って学校を休ませた」
 「足におまじないのミサンガ(ひも)をしていた子をしかったとき、食堂に十四、五人を集めて、『こんな足はいらない』と包丁をぶつけた」
 関係者らによると、子供たちの悲痛な訴えが次々に飛び出した。

 ○麻袋で木につるされ
 「小さいころ、麻袋に入れられて庭の木につるされた。怖くなるから思い出したくない」「鼻と口を押さえられて、息ができなくなった」
 幼いころに受けた体罰を、はっきり覚えている入所者もいる。体罰は、長期間にわたって続いていたようだ。
 昨年九月、内部告発を受けた県児童相談所長協議会が調査に乗り出し、園長の体罰の事実を認め、十一月から月に二回、児童相談所の職員が園を訪問して指導をしている。同時に、新たな措置児童の入所が制限された。その後、殴るなどの直接的な体罰は減ったという。
 だが、大浜園長と子供たちとの間にできた溝が埋まったわけではない。
 今年二月四日に千葉市で開かれた県児童福祉施設協議会のマラソン大会に、園長は友達同士のじゃれあいで顔にアザができた児童を参加させなかった。園長は職員に「県や児童相談所の人も来るのに、アザを見られたら何を言われるか分からない」と、その理由を説明したという。

 ○意見も何も言えず
 子供たちが園を抜け出し始める直前の四月一日、中学、高校生の入所者が園長に対する意見をまとめたメモにはこう書いてある。「どうしてすぐ暴力をふるうのか。それでは意見も何も言えない」「どうして園長のロボットにされるのか」
 大浜園長は「保護者」として、入所者の生活全般に関する決定権を握っていた。「通知表に印鑑を押してくれなかった」「学校の部活動への参加をなかなか認めてもらえず、(親との)面会や帰省をしないという条件で認めてもらった」。園長に対する不満が子供たちに積み重なっていった。

 ○慢性的な緊張状態に
 県児童相談所長協議会の調査報告は、こうした園の様子を「児童の側から見ると、慢性的な緊張状態におかれていることになる」と分析している。
 ある入所者の親類は「面会は玄関で三十分ぐらい。遊んでいる姿などは見せてもらえない。以前は明るい子だったのに、口数が少なくなった」と心配そうに話した。
 大浜園長は「これまで、しつけの中で体罰ととられることもあったのは反省している。子供たちには一刻も早く戻ってほしい」と話す。
 しかし、子供たちから聞こえてくるのは、「園長がいやで逃げたんだ」「園長をやめさせてほしい」という切実な訴えだ。

 <恩寵園> 戦災孤児のための施設として一九四六年に開設、五二年に社会福祉法人の認可を受けた。児童福祉法に基づく養護施設。児童相談所で家庭の事情などのため保護者と一緒に暮らせないと判断された子供たちが入所する。定員は七十人。現在は高校三年生から二歳の幼児まで五十六人が暮らしている。大浜園長は初代園長の父親の跡を継いだ。園を経営する社会福祉法人の理事長も務めている。

 【写真説明】
 十三人の子供たちが逃げ出した児童福祉施設「恩寵園」=船橋市薬円台四丁目で


1996/04/11 朝日新聞 朝刊千葉版
帰りたくない 児童相談所が確認 船橋の恩寵園で13人逃走 /千葉

 県児童家庭課は十日、県内の児童相談所に一時保護されている船橋市の児童福祉施設「恩寵園」の入所者十三人について、「園の職員が取材への対応に追われ、相談所に迎えに行けないため」との理由から園へ帰すことを十一日以降に延期した。しかし、実際には一部の相談所が「子供は帰りたがっていない」として、独自に保護の継続を決めたことや、他の相談所でも子供の意思を確認する作業に時間がかかったことで現場の足並みが乱れたため、やむを得ず延期した、というのが実情のようだ。
 県児童家庭課では「子供はみんな園に帰りたがっており、早く通常の生活を送らせるべきだ」として、九日には子供を園に戻す方針を固め、園の職員が十日午前十時に一斉に各児童相談所に入所児童を迎えに行く予定になっていた。しかし実際は、四児童相談所のうち九日までに子供に意思確認をしていたのは一相談所だけで、三相談所は十日になって初めて子供に意見を聞いた、という。このため職員の間でも「子供の意見も聞いていないうちに県から園に帰せという指示がくるのはおかしい」と疑問の声が挙がっていた。
 十三人のうち五人を保護している市川児童相談所では、職員に対し五人全員が「帰りたくない」と答えたため、帰すことを当面、見合わせることを決めた。植松圭市所長は「学校もあるので、家庭である園に早く戻してあげたいが、県や園から受けていた説明と子供の認識にはかなり違いがあり、もっと詳しい実情を園の職員などから聞いてから、園に戻したい」と話している。
 柏、千葉市の二児童相談所でも子供の気持ちの確認作業が夕方までかかった。ある児童相談所の職員によると「帰りたいと答えた子供でも学校に行きたい、という気持ちと園長はいやだ、という気持ちで揺れている様子がある」という。柏児童相談所は
「全員一緒に園に戻すと聞いていたのに、相談所によって帰らない子供もいる、というのでは子供に説明がつかない。県にもっと指示を徹底してもらわないと」と戸惑いを隠せない。
 一方、事前に子供から帰所意思を確認していた、という銚子児童相談所では「子供が荷物をまとめて迎えを待っていたのに、夕方まで県からも園からも連絡がなく、時間が遅くなったので明日に延ばした」と話している。
 県児童家庭課の成田美代課長は「いざというときに子供の気持ちが変わることはよくあること。子供に無理強いするわけにはいかないので、やむを得ず対応がまちまちになった」と説明している。


1996/04/10 朝日新聞 朝刊千葉版
児童ら13人が逃走 園長の体罰でトラブル 船橋の福祉施設

 千葉県船橋市薬円台四丁目の児童福祉施設「恩寵園」で今月初め、入所している児童や生徒計十三人が施設から逃げ出し、県内各地の児童相談所に保護されていたことが九日わかった。この施設では、大浜浩園長(五九)の体罰を伴う厳しい指導が以前から問題になっており、これに反対する職員とトラブルが起きていたという。各児童相談所は、保護している子供たちを十日にも園に戻す方針を決めたが、相談所の職員の中から「子供たちを納得させられる説明ができない」と反対する声も出ている。
 恩寵園には、家庭の事情などで親と一緒に暮らせない幼児から高校生までの五十六人が入所している。大浜園長は園を経営する社会福祉法人の理事長も兼ねている。関係者によると、逃げたのは小学生から高校生までの男女。三日から五日にかけて園を抜け出し、県内四カ所の児童相談所に駆け込んだ。「帰ったら仕返しされる」と話す子供もいるという。
 大浜園長による体罰問題では、県児童相談所長協議会が昨年九月、入所者や保母らに面接調査して「入所者の多くが園長に殴られた経験がある」「手に持っていたティッシュペーパーに火をつけた」「刃物で脅す」などの事実を確認。
 さらに「児童の自由度は制限され、園長らの強い管理下で生活することが余儀なくされているように感じられる」と指摘し、「体罰肯定の姿勢について、是正する必要がある」と改善を促していた。
 しかし、その後も改まらなかったとして、園長の方針に反対する職員たちが四月初め、一時的に辞表を提出。それを知った子供たちが園長に反発して逃げ出したらしい。
 県中央児童相談所の前田茂則所長と大浜園長らは九日、相談所にいる子供たちを十日にも園に戻すことを決め、各児童相談所に通知した。
 県児童家庭課の成田美代課長は「自分の母親がわりになっている職員の一部が園長と対立して『辞める』と言ったのを耳にし、子供がパニックに陥っただけで、根の深いものとは思っていない」と話している。
 大浜園長は「過去には体罰ととられることもあったが、改めるべきは改めて、すごしやすい園にしていくよう努力したい」と話している。


1994/12/29 朝日新聞 朝刊千葉版
子供たちともちつき 沼田・県知事ら /千葉

 はっぴに長ぐつ姿の沼田武知事が二十八日、県内の養護施設・母子寮の子供たちを招き、一緒に県庁内でもちつきをした=写真。十年以上続く年末恒例の行事。
 子供たちは恩寵園(船橋市)、滝郷学園(海上町)蛍雪学園(酒々井町)、房総双葉学園(千葉市)、旭ケ丘母子寮(同)の六十一人。「よいしょ、よいしょ」と約二十分。できあがったもちは、きなこやあんをまぶして食べた。
 初めて参加した島崎実副知事は額に汗をにじませ、「もちつきは何十年ぶりですね」。子供たちに囲まれて楽しそうだった。


1994/01/24 朝日新聞 朝刊千葉版
レスラーと遊ぼうよ 船橋の児童養護施設 /千葉

 社会人プロレス連盟(SPWF)の代表、谷津嘉章さん(三七)ら八人が二十三日、船橋市薬園台四丁目の児童養護施設・恩寵園(大浜浩園長、園児六十八人)を訪れ、子供たちと一緒に楽しいひと時を過ごした。
 二十五日午後六時半から同市運動公園体育館で開かれるチャリティープロレス大会に招待されている子供たちは、大きなプロレスラーを目の前にして大喜び。腕ずもうをしたり=写真=、質問攻めにしたり。庭に出てボール遊びをしたあと、みんなで園の昼食を食べた。
 SPWFでは大会の売上金から十万円を船橋市社会福祉協議会に寄付する。


1993/12/12 朝日新聞 朝刊
空港でジュニアクジラ写生 成田・船橋の養護施設 /千葉

 十一日、成田空港の全日空整備工場に成田市と船橋市の二つの養護施設に入っている子どもたち約六十人が招かれ、同社の“空飛ぶクジラ”二号機「マリンジャンボJr.」(B767)の機体を写生した。
 「成田学園」と「恩寵園」に寄宿し、小中学校などに通っている。多くの子は、初めて飛行機を間近で見たといい「エンジンがでっかい」「(描かれた)イラストがかわいい」と大喜び。機内を見学後、絵筆を握った。絵は同日中に回収される予定だったが、熱中のあまり三時間の時間内に描き終わらなかった子が多く、施設に持ち帰って完成してもらうことに。
 同機は十二日早朝、羽田空港へ向かい、翌朝、富山へ初就航する。国内の地方路線用のため、今後は成田空港で姿を見ることはできないという。


1991/12/22 朝日新聞 朝刊千葉版
日本航空と全日空が、養護施設にクリスマスプレゼント 船橋など

 クリスマスに合わせて日本航空と全日空が今年も、県内の養護施設を訪ねて恵まれない子供やお年寄りたちにプレゼントを贈っている。
 全日空は21日、サンタクロースにふんした男性社員とスチュワーデスなど6人が、船橋市の養護施設「恩寵園」など3カ所を巡回。同社便が就航している世界20都市でスチュワーデスたちが小遣いを出し合って買い集めた、ぬいぐるみやお菓子など各地お土産を贈った。
 このうち、成田市の養護施設「成田学園」では、スチュワーデスたちが3歳から18歳までの園生43人に一人ひとりプレゼントを手渡し、園生たちと一緒に歌やダンスも楽しんだ。園生たちは外国ムードいっぱいの贈り物に大喜びだった。
 日航も15日に、同社最大労組の全日本航空労組に所属するスチュワーデスや整備士など50人が成田市の精神薄弱児施設「不二学園」など2カ所を訪れ自転車やおもちゃなどを贈った。25日にも2施設を訪問する。


1991/03/10 朝日新聞 朝刊 千葉版
養護施設巣立つ中学生に布団贈る 朝日新聞社厚生文化事業団 千葉

 今春、養護施設から中学を卒業して就職する東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県の中学3年生たちに9日、朝日新聞東京厚生文化事業団が寝具一式を贈った。新しく社会人になるのは63施設215人。贈呈式は、東京・築地の朝日新聞東京本社で行われ、同事業団の富岡隆夫常務理事から子どもたちの代表4人に寝具が手渡された。
 船橋市の養護施設「恩寵園」の大川雅央君(15)が「4月から建築資材を作る工場で働きます。みなさんの励ましを忘れず、ご期待にこたえられるように頑張ります」と、お礼のあいさつをした。
 この養護施設を巣立つ子どもたちへの寝具贈呈は今回を含めて3373人になる


1990/12/22 朝日新聞 朝刊 千葉版
子供にうれしいプレゼント合戦 日航と全日空が病院や施設で 千葉

 クリスマスを前に日航と全日空が、子供たちにうれしいプレゼント合戦を繰り広げている。普段は旅客獲得に火花を散らす両社が展開する善意のプレゼント競争に、子供たちは大喜びだ。

 日航は20日、成田市飯田町の成田赤十字病院の小児病棟に現金60万円と約10万円分のランの花などを贈った。スチュワーデスたちが社外で講演したり雑誌に寄稿した際に受け取った謝礼を1年間積み立ててきたもの。昨年までは歳末助け合いに寄付してきたが、今年は楽しいはずのクリスマスを病床で過ごさなければならない子供たちに贈ることにした。
 国際客室乗員部次長の荷見三七子さんとスチュワーデス2人が病棟を訪れ、「早くよくなって下さいね」と話しかけながらプレゼントを手渡した。子供たちはニコニコ顔でうなずいていた。病院側は、受け取った現金を子供たちのための本やおもちゃを買う費用にあてるという。
 全日空の方は、スチュワーデスが乗務で訪れた世界各地で買ったおみやげを、めぐまれない子供たちに贈る。22日に代表6人が、家庭の事情で家族と一緒に暮らせない子供たちが入っている船橋市の養護施設「恩寵園」(おんちょうえん)など2つの施設を訪れて手渡す。
 プレゼントは21日夕までに、ぬいぐるみやおもちゃ、文房具、お菓子など約320個が集まった。スチュワーデスがサンタクロース役を務めるのは今年で3回目だが、今回はこの1年に新たに乗り入れたクアラルンプールのマレーシアだこやパリ、ブリュッセルからのプレゼントも届いているという。


1989/12/24 朝日新聞 朝刊 千葉版
スチュワーデス、施設の子どもたちに世界各地の贈り物 船橋

 全日空国際線のキャビン・アテンダント(スチュワーデス)が23日、船橋市にある養護施設「恩寵園」などを訪れ、世界各地で買い求めた贈り物約270点を子供たちに手渡した。
 全日空は3年前から定期国際線に進出、成田空港からロンドン、ストックホルム、ウィーン、香港など12路線、14都市を結ぶまでに発展。国際線キャビン・アテンダント約800人が「地元にお世話になっているので心のこもったおかえしをしたい」と、買い集めた小物を昨年から贈っている。