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恩寵園子供自治会の沼田武知事への手紙
カウンタ
from 2000/1/23


沼田武 知事様



 四月初め、私達園児のうち13人が園を飛び出し、各児童相談所へ駆け込みました。これには深い理由があります。

(1)私達は以前から園長先生による『虐待』を受けてきました。叱られれば“たたく”のはもちろん、やがて“殴る”・“蹴る”に変わり、最後には“竹刀で叩く”・“ハサミをあてて実際傷つける”・“包丁で足を傷つける”と言ったように、身体を傷つけられることも多くありました。“たたく”と言ってもほとんど“殴る”と同じです。叱られたら“叩く”から“物をつかう暴力”へ変わることもしょっちゅうでした。その間、私達は恐怖のあまり何も言えなくなります。何か一言でも言おうものなら、言えば言うほど殴られ・蹴られ・ボコボコにされました。

(2)園長先生はよく、学校が休みになると私達や先生方を集めて話しをすることがありました。その中で皆思うことは、「園長先生は何を考えているかわからない。」ということです。本人の前では怖すぎてこんなことは言えませんが、それほど園長先生が言うことは難しいものばかりなのです。何か物事について話すとき、園長先生はわざと難しい言葉を使って話します。この地点で私達はもうパニックに陥ります。物事をズバッと言わず、遠まわしな言い方をします。それも長々と・・・。そして私達園児に質問していきます。私達はまだ子供です。話のわかるところはわかるけど、わからないところはどんなに自分の頭で考えてもわかりません。それなのに、園長先生の望んだ通りの答えでなければずっと立たされているか、話しから除外されるかのどちらかです。そんなことが休みの日には一日2〜3時間決まってありました。
 又、私達が園長先生と話しをするとき(進路の相談や怒られたときなど)、私達の意見はなかなか聞いてもらえません。園長先生に質問されても遠まわしな言い方なので、何を言っているのかわからず、答えられないことが多くありました。そうなると、私達は一歩も前に進めなくなり、次第に園長先生が望んでいる答えを言おうという気持ちになります。ところが、悩んでいる私達を、「なぜ、人が聞いているのに答えない?」と、どんどん追求してそのうち怒りだしたり、食事を抜きにされたりすることが多くありました。

(3)園の生活は規則でがっちり縛られています。その中でも私達が特に「嫌だ」と感じているものを下にあげます。
 ・夕食が早い(午後5:00)
 ・消灯が早い(全員 平日午後8:00、休日午後9:00)
 ・門限が早い(全員 午後5:00)
 ・平日、TVが見れない(休日やその前日だけ)
 (現在はTV・部活については改善されています。)
など、今では考えられないものばかりです。中・高校生は特に今のようなことにとても不満を盛っています。園は小さい子のペースに合わせすぎなのです。

 今まで私達は、このようなことを文句を言いながらも我慢してきました。それには、私達を守ってくれた保母先生たちがいたからです。ところが4月になってほとんどの保母先生が辞めてしまうということで、私達は園長先生に抗議しに行きました。園長先生は、「先生方が辞めるのは先生方の自由だ。」
「先生達のかわりはいっぱいいる」などと言いました。私達は真剣に訴えているのに笑ってごまかしたり、いつものように難しいものの言い方をしてきちんと答えてくれず、私達はごまかされているとしか思えませんでした。私達は、「こんな園長となんかいたくない」「こんな生活嫌だ」と思い、助けてもらおうと児相へ行ったのです。

 私達は児相で約1〜3週間(長くて)程生活しました。今までの不安や嫌だったことを相談所の先生と話し、私達は、「園が良くなりますように」「園長先生が方針を改めてくれますように」などと願っていました。その反面、「そう簡単に園(園長)が変わるか?」とも思いました。案の定、園長先生はちっとも変わっていませんでした。
 園長先生は私達に、形の上では謝りましたが、そのとき笑っていたし、体罰に関して「自分だけの責任ではない・君達も悪い。」と言いました。私達はそれを聞いて大変ショックを受けました。児相へ行った人も行けなかった人もショックなことでした。そして、園長先生は私達に色々な約束事をしましたが、もうすでに破られたものもあり、私達は改めて信用することができなくなり、また毎日を心配して過ごすことになるのかと思うと暗い気持ちになっていくのでした。

 13人が児相へ行った後、何人かが「自分たちも児相へ行って話を聞いてもらおう」としたところ、逆に「園に帰れ!」と追い返されてしまった人がいます。その人たちは、「話しを聞いてもらえず、不安な思いをした」「保母先生のかわりはいくらでもいるから、と言われてとても嫌な思いをした」と言っています。

 それからというもの、今では園長先生は『虐待』はしません。
「私達がまた児相に逃げたりするのが嫌だから」「一大事(新聞、TV、世間体が悪い)になると困るから」と、こういった事だからやらないだけだとしか思えません。私達にとって、これは恐いことです。いつ、また、あのときのようなことが起こるかわからないからです。

 私達は園長先生とは一緒に生活したくありません。−園長先生に辞めてほしい−これが私達園児の願いです。「過去のことだから」・・・、そう言って今まで自分のしてきたことの重大さをわからない園長になんかいて欲しくありません。園長先生に限らず、園長の妻の大浜先生息子の晶、主任の林先生も同じです。この4人がいることで、私達は我慢して生活するしかないのです。

 私達園児は、“恩寵園子供自治会”をつくりました。今、皆で園の生活やその他色々なことについて話し合っています。その中で、高学年以上で自分たちの権利(生活・自分の気持ち・園長先生のことなど)について話し合っています。話し合っていく中で、「権利を主張するなら、自分たちの義務についても考えよう」という意見が出ました。このことを学びながら自治会を進め、今まで言えなかったことを皆で出し合い、保母先生方と一緒に『楽しい恩寵園』にしたいと思っています。大人の世界では、園長先生のしたことは許されるのでしょうか?

 園長先生は今まで、「悪いことをしたらきちんと謝り、自分なりに責任をとりなさい」と言ってきましたが、園長先生の場合はどうなるのでしょうか?

 私達の正直な気持ちは、“園長先生とは一緒に生活したくない”ということです。私達の声を聞いて下さい。皆、思いは一つです。

               平成8年8月7日
                   恩寵園代表 子供自治会